昭和十七年十二月二十九日
2020-05-17


十二月二十九日 

 もう今年もあとわづかしかない。

  お正月には何はなくても家の中だけはきれいにと、姉と二階を全部さうぢして疊をふいた。すっかりきれいになってさっぱりした。

  そのあと障子の切張や色んな形に紙を切って破れた所をつくろった。 又、神棚からローソク立てなどをおろして來て、おこたつで磨く。ゴシゴシふくとすぐピカピカになってうれしい。

  夜は佛印の兄※の所へ手紙を書く。兄も來年はかへれるだらう。たのしみだなァ。  


禺画像]


※佛印の兄 フランス領インドシナ、略して仏印(現在のベトナム)。騎兵将校ではなくなり、軍籍のまま昭和史上の「仏印進駐」にともなってハノイの軍司令部にいたようだ



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